貧困大学生ホモライダーのガバガバ日記

SUZUKI GZ125HSに乗ってる関西の大学生のブログ

実録!楽しい野宿イン東京!!

 

突然だがみなさんは覚えておいでだろうか。

九州ツーレポの3日目の記事の中で「このツーリングの数日前に彼女と別れた」という唐突な自分語りをかましたことを。

お前ノンケかよぉ!というご指摘はともかく、なぜ楽しい旅行の直前なんだ…、と思われたホモも多いやもしれぬ。

 

実は九州ツー出発の2日前、本官は東京で寒空の下野宿をしていた。

彼女との離縁は厳しい環境に追い詰められた本官の精神状態のなせる技であり、野宿自体も含めクッソきつい体験であったことは間違い無いのだが、この際面白いから記事にしようと思う(人間の屑)(ブロガーの鑑)。

 

まだ(当時)20歳のこのホモライダーは、東京の寒さに耐えることができるでしょうか…?

 

 

時は2019年3月1日本官は東京にいた。3月3日まで滞在する予定であったが、無論行きと帰りの夜行バスしかとっていない。

 

とある野暮用で某大学に用事があり、その用事も済んであてどなく彷徨っていた。

その大学の知り合いに近くに野宿ができそうなとことはないだろうかと尋ねたところ、思いっきり怪訝そうな顔をされながらも大学のすぐ横の公園を勧められた。あとから調べたところによると夏場はホームをレスした方々が多く寝泊まりするほか、野宿イベントなるものも開催されるほどの適所であることが判明した。

 

場所が決まれば次は腹ごしらえである。極寒の東京で一夜を超すにはアザラシの肉を食らうエスキモーよろしく油やら糖やらを蓄えねばなるまい。一人暮らしで自炊もしている本官が導き出した最良の夕食とは…。 

 

f:id:fonta-sai:20200411134226j:image

これだ。

学生のある所に二郎系あり、これはこの世の心理である。学生は二郎系を欲するし、二郎系も学生を欲する。かくして両者はさながらウロボロスのように円環の理を創り出す。ありがとう某大学。ありがとう野郎ラーメン

 

いただいたのは汁なし野郎並盛りアブラマシ

ビジュアルはなんとも食欲をそそる色彩豊かな出来栄え。頂点に鎮座する卵黄がひときわ華やかである。海苔と煮卵は一般的なラーメンにもつきもののトッピングであるが、二郎系にも合うとはこれ意外なり。アブラとの親和性が抜群によく、執筆している2020年4月現在の本官の胃袋にも時空を超えて揺さぶりをかけることの能うフレーバーであったことは申し添えておく。

 

満腹になり体内のエネルギーもしかるべき水準に達してにこにこしていた本官だが、外の人通りの多さに表情を曇らせた。忘れがちな事実であるが、野宿はキャンプと違って人目を忍んで行うものである。街ゆく健常者の方々にとって本官は明らかに異質な存在であり、招かれざる客であり、通報案件なのだ。というか、だれも使わない時間帯とはいえ公共の施設である公園の1スペースをそれなりの長時間占拠し続けるのだから、あまり褒められた行いでないことは確かであり、明るい時間帯に堂々とやっていいことではない。

 

したがって、真夜中まで時間をつぶす必要がある。ひとまずドトールで時間をつぶす。汁カフェとかで無料コーヒーにありつきたかったが長期休暇の間は休業していた。閉店時間まで居座る害悪プレイをかました後、いざ街へ出る。

 

思った通り、外の人通りは確かに減少していた。

 

そうして、件の公園へと足を運ぶ。公園はそれなりに広く、またよく整備されているようで、休日ともなれば多くの人でにぎわうであろう理想の公園だった。しかして今は不審な貧乏大学生と門限を置き去りにしてきたような中学生しかいない。

 

ベンチに横になる。

夜空は真っ暗だが、それでもなぜだか綺麗だと感じてしまう。

 

数十分がたった。

まるで寝付けない。ここにきて、初めて自分の決断を心の底から後悔する。

怖いし、寒い。

 

場所を変えることにした。公園の中心からは少し離れている小高い場所だ。ここで初めてシュラフを展開する。

 

ここで本官はこの先も役に立つであろう知見を獲得する。

シュラフはテントと組み合わせて初めて意味がある。

要するに、やっぱり、寒い。

 

高校生か大学生くらいのグループがシュラフを見つけて小さく騒ぎ出す。

「うわッ!人いるッ!」

人いるじゃねえよ。人見たことねえのかよ。

居心地の悪さを覚え、のそのそと移動の支度をする。

 

軽い気持ちで野宿してみようと考えていたが、ひどく惨めな気持ちになっていた。

バイクで野をかけた末にたどり着いたキャンプサイトで、木々に囲まれながらキャンプをするのとはわけが違うのだと思い知らされる。

ツーリング中では、自分が独りであることを意識することはまれである。自分と同じようなソロライダーも多いし、そもそもバイクは一人で乗るものだ。バイクを降りているときだってそれは同じだ。

翻って、都会のなかで一人でいるということは、人々の営みがこんなにも密集した場所で、一人それから隔絶され、どこにも属していないということなのだ。月並みな言葉でいえばとにかく淋しい。

 

別な公園を探して住宅街をあるく道すがら、酒に酔ったカップルが千鳥足で歩くのを見た。

そういえば夕方、公園のことを教えてくれた知り合いは彼氏と同棲してたっけな。

いま前を行く二人も、彼らのように二人の家に帰るのだろうか。

あるいはそうでもなくとも雨風の凌げる家には帰ることができるだろう。

 

そんなことを考えたのがまずかった。

スマホを開いてすっかり疎遠になっていた彼女に別れようとだけメッセージを送る。

この時の心理をうまく説明しろと言われても説明できないし、ブログで不特定多数の読者に説明することではない。

 

結局住宅街の中にある小さい公園を見つけ、ベンチを寝床に決めた。

寒さと疲れと心労から意識がもうろうとする。眠っていたのかどうかさえ分からない。ただ、途中ホームレスの方がベンチの横のごみ箱を漁っている音で目が覚めて、ひどく申し訳ない気持ちになったことだけは覚えている。

 

朝、開店と同時にマクドナルドに駆け込み朝食をとる。

こんなにも朝マックがおいしいと感じたのは生れてはじめてだった。この一口のコーヒーによってもたらされたそれまでにない感動だけでも、昨晩の苦労と釣り合いが取れている、そう思うことにした。

 

結局その日の夕方に彼女から「どうぞ」とだけ返事が来て、その足で新宿歌舞伎長に向かったが、手持ちの金が心もとなかったので試写室でVR童貞を卒業して、漫画喫茶に泊まりました。

 

長々と書いてきたが、総論を述べると、

 

都会で野宿するのはやめとけ。

 

何やら途中から文体が大幅に変わってしまったが、まあそれほどキツかったのである(適当)。